いつ咲くかとやきもきしていた沈丁花の花ですが,今年はあっさりと咲きました.
沈丁花の香りはどこか品があるような,透き通った匂いがします.
園芸療法プログラムに持参すると,たいてい喜んでいただけますが,時折嗅覚に敏感な方がみえると,香りが強すぎると顔をしかめられることもあります.
見た目にも濃いつぼみの色と咲いた花の薄ピンク色のコントラストが美しく,花瓶に映える花です.
春の沈丁花,秋の金木犀は特に強い香りを放つ花ですが,昨年アニメーション化された松本大洋さんの漫画,「ピンポン」に登場する風間竜一(ドラゴン)という名門校の主将を務める卓球選手がこれらの花の匂いを感じ取るコマを思い出します.何気なく挿入されるシーンですが,強さの裏側にある繊細さをどこか暗示するようでもあり,とても印象に残っています.
沈丁花の花の匂いを嗅ぐと,いよいよ春本番という気持ちで,どうも落ち着きません.やり残してある生垣の剪定をしなければ,野菜や花の種をタイミングよくまかなければ,あれはしたか,まだしてなかったか,あれもしないと,これもしないと等,気が急いてしまいますが,ひとつひとつ丁寧にやっていこうと思います.
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