ガーデンには姫リンゴの木が植えてあります.
もともとはターシャ・テューダーの庭に咲くクラブアップルの大きな樹に憧れて植えたのが始まりで,いい具合に育っていたのですが1本は台風で倒れてしまい,小さな実のつくほうだけが残っています.今年はあまり実のつきはよくなかったのですが,いくつかは赤く色づいてきました.
リンゴは象徴的な植物で,文化やアートのモチーフとして多く用いられています.美術に対する私の原体験もリンゴにまつわるもので,田窪恭治という美術家がノルマンディ地方の廃墟となった礼拝堂を再生するというプロジェクトを中高生の頃,NHKの日曜美術館で見たことが始まりです.礼拝堂内部の壁面を何色もの色で塗り重ね,それを削ってリンゴの絵を浮かび上がらせる作業に取り組む美術家の横顔を今でも覚えています.
自分のイメージを現前に表現しようとする真摯なまなざしは,今も大切な道しるべのひとつとなっています.
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