秋に種をまいて育ててきたノースポールの花が咲いています.学名としてはクリサンセマム・パルドーサムという名前なのですが,白い花がいちめんに咲く様子が北極を連想させることから,サカタのタネが「ノースポール」と名付けたようで,そちらのほうがより広く知られています.
ノースポール(北極)と聞くと,写真家の石川直樹さんが若い頃に参加した地球縦断プロジェクト「Pole to Pole」を思い出します.北極から南極までを人力で踏破するもので,2000年の春から2001年の元旦にかけて行われた旅の記録は,彼自身によって写真や文章として残されています.日々の日記からはその旅の様子が相当な熱量と共に迫ってきて,いつのまにか身体ごとその世界に没頭しています.
そうした身体性を喚起させる彼の文章や写真は,ともすれば頭だけで過ごしているような日々において,重要なアラートになっています.
なので,ノースポールの可憐な花が咲いているのを見ると,きちんと毎日を生きているか,と静かに問いかけられているような気持ちになるのです.
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