晩秋になり冬の足音も近づいてきたこの時期、春に咲くはずのヤマブキの花が咲いていました。
こういう花を狂い咲きとか、返り咲きと呼ぶようです。
ガーデンのヤマブキは、毎年何輪か秋に咲くので、のどかな小春日和の日には、本当に春がやってきたかのように錯覚します。
当のヤマブキの花にしてみれば、咲いてみたらまだ秋で、他の花も咲いてこず、冷たい風に吹かれてさぞ心細い思いをしているのではないのだろうか、と、ふとそんなことを考えてみたりするのも楽しいです。
トーベ・ヤンソンの書いた「ムーミン谷の冬」という作品は、ムーミンが家族の中でひとりだけ真冬に冬眠から目覚めてしまった様子を描いたものですが、狂い咲いたヤマブキの花はそんな物語を思い出させてくれます。
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