2月の終わりになって,ようやく寒さが和らいできました.
今日は天気も良く,陽射しが明るい一日になりそうです.午前中は月に2度の園芸療法プログラムがない時間なので,この間の強風で壊れたフェンスを直したり,ガーデンや畑の手入れをしたり,たまっている書類作成や整理に勤しむ予定です.
色々と慌ただしいですが,この春のバタバタは嫌いではありません.動物としての本能なのか,どこかうきうきとした気分になります.
それは,カレル・チャペックの名著「園芸家12か月」やケネス・グレアムの「たのしい川べ」(くまのプーさんの原作挿絵で有名なE・Hシェパードの絵が素敵かつ,石井桃子さんの訳がとても素晴らしい)に描かれている通りで,毎年同じ繰り返しのようですが,春はいつでも新鮮で,そわそわと落ち着かない気持ちを運んできます.
そんなこの頃,うれしいことに園芸療法プログラムで植えたチューリップの芽があちらこちらに顔を出してきました.手で触れるとしっかりと硬く,近くで見るとまるで構造物のようです.特に中でもいちばん大きな芽のかたちをじっと眺めていると,国内でも最も独特な形をした建物のひとつであるこの高層ビルのように見えてきます.曲線のある建物はどこか植物的な印象を与えます.
日常的に植物を育てることは,季節の移り変わりを実感させてくれるだけでなく,自分の想像力も膨らませてくれます.
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